失恋
子供の頃、
『Enchanted Ella』という洋書を邦訳した
『さようなら いい子の魔法』という本が大好きで大好きで、大人になった今でも思い出しては読むときがあります。
シンデレラストーリーをパロディにしていますが、オリジナルを超えた一作と断言できます。
その理由の1つとして、
エラは「意志」ある女性だから。
主人公エラがプリンス・シャーに、会いたくて会いたくて、でも会えば自分が傷つくと分かっていた際に、振り絞るように言った一言が今でも忘れられません。
『私がシャーに三回会えば、心はナイフで三回刻まれる。それでも、私はシャーに会いたい。』
ここを読んでるときは毎回と言っていいほど
泣きましたね。ボロ泣きでした。
それを読んでいたときは、なんて恋愛は苦しく切ないのだろうと思いました。
大人になり、いくつか恋愛経験をしたとしても、別れる前にはもう別れる心の準備をしていたドライな自分がいました。
寂しさで感傷的になることはあっても、心が刻まれるなんてことはありませんでした。
しかし、
先日友人が3年付き合った彼氏と別れ、
今まで一緒に訪れた場所
相手の言い草
相手の匂い、声、肌触り
そういったものを思い出しては苦しくなっているのを傍で見て、
ああ、これが「心が刻まれる」
ってことなのかなと思いました。
会いたいけど、会いたくない。
会ったらその表情が目に焼き付き、
その声が耳にこびりつき、
その匂いが思考を停止させ、
もし他の女性と笑いあっている姿なんて見たら、それこそ涙は止まらない。
はい、ここらへんは妄想ですね。
エラは傷つく覚悟を決めて、プリンス・シャーに会いに行きました。結果的に色々あってハッピーエンドとはなりますが、現実世界では、そう簡単には行かないでしょう。
涙で枕を濡らす日々かもしれません。
しかし、過去は変えられなくとも、今の自分が何に注意をするのかを選択することはできます。
ただ涙を流すよりも、「意志」を持って、その涙をあなたが成長する糧となるよう行動する。
ありがとう、さようなら、 と心の中で感謝と決別を繰り返すことで 過去の自分を受け止めると同時に、新しいことを始めて注意力をそっちに外すことで、一歩踏み出すことができるのかもしれない。
いまは涙に明け暮れる乙女も、 「意志」さえ持ち続ければ、エラのように自分自身を幸せにすることができると思います。
そして失恋から立ち直った女性は、
「心が刻まれる」思いを「意志を持って」乗り越えたからこそ、あんなにも輝き、強いんだと思います。
とまあ、語ってみましたが、
わたしの王子様はどこにいるんでしょうね。早く、ガラスの靴を手に心の扉を叩いてほしい。てへ。
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さっさとあらすじ紹介してよ、と思った人いると思います。書き出すと長くなるので、渋りました。
『さようなら、いい子の魔法』お話のあらすじは、この方が上手い具合に紹介してくれるので、気になる人は是非こちらを。
【http://paonyan.com/books/ella.htm】
残念ながら邦訳は絶版になっていますが、洋書の方は英語とはいえ分かりやすい表現で、かつ筆者の用いる言葉やそのリズムが面白く感じられます。
ちなみにこれは、失恋にどっぷり浸かっている友人のオススメの曲です。 沁みます。シンプルなメロディーに載せられて、歌詞が心に響いてきます。
【http://www.youtube.com/watch?v=lHaJRiDyvkg】